経営戦略ワンポイント

2008年11月 6日 (木)

計画・遂行・フィードバック2 - 計画遂行のポイント


戦術を実行に移す際には、実行するにあたっての最適な人事や組織を考えます。実務として実行するためのスキルやモチベーションをもっている社員を担当者として割り当てなければ、すばらしい計画も計画倒れになってしまいます。

従って、計画実行にあたっては、組織を変更したり、組織を新設したりすることも考えます。または、一過性の戦術ならば、プロジェクトやタスクフォースといった手段もあります。

戦略のみで事業はできません。
人が大事です。戦略を実行するには、実行する人がいなくてはなりません。社員のスキルやモチベーションを育てておくことも忘れてはなりません。

計画の遂行を管理するというと、管理の方法論も重要ですが、計画遂行を管理するということは、その裏にある、人の感情をコントロールすることがもっとも大切です。むしろ、コントロールなどという言葉は使いたくなく、人の、ワーカーの気持ちを大切にし、仕事の中に活かしてゆくことです。

モチベーションを高めるために計画が必要であり、計画があるから、達成の喜び、それに続く成功の喜びがあります。さらに、それによってモチベーションが上がる。この繰り返しです。

大きな計画達成も小さな計画達成の積み重ねから。

小さな成功体験が人のモチベーションを高め、大きな成功への原動力となります。


大きな成功も小さな成功の積み重ねから。計画の遂行と達成は、これがすべてです。

その目指す目標が経営戦略であり、計画を遂行することで経営戦略は実現できます。

さあ、これまでのフレームワークに従って、戦略を立案した後は、迷わず目標に向かって、突き進んでください。計画を実行に移すフェーズでは、組織面での障壁や課題もあると思います。その折には、コンサルティング等の第三者を活用してもよいと考えます。

あなたの会社も戦略企業へと変身し、時代に勝ち残ってゆきましょう。


何はともあれ経営戦略を策定しましょう。そして、それに願望と情熱をこめて、
プランドゥ!!

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2008年10月 4日 (土)

計画・遂行・フィードバック1 - 計画策定のプロセス


fig_strat_plan_process 

これまでのフレームワークで経営戦略から経営戦術まで、まとめることができたと思います。経営理念、経営戦略から経営戦術まで論理的な一貫性があれば、OKです。経営理念と異なる経営戦略だったり、経営戦略と異なる経営戦術だったり、気をつけていないと違う方向にいってしまいます。

では、戦術の実行に向けて、実務遂行のための計画を策定します。

計画は、全体計画から、部門計画へとトップダウンで、最終的には実務を担当する社員の個人計画まで作成します。全体の計画、例えば商品開発の計画ができたとしたら、それで終わりのように思うかもしれませんが、計画策定については、これが端緒です。この全体計画を実現するための個々の部門、個々の社員の計画がなければなりません。従って、個人計画を作ることで遂行の管理が初めてできるのです。

必ず全体計画を作って終わることなく、個人の計画まで落とし込みます。

担当者の個人計画は、全体の計画から、ブレークダウンして、最終的に日々の計画を記載、確認、そして実績を記録できるレベルのものが必要です。全体計画、数ヶ月分の月間計画、1ヶ月分の詳細計画、といったふうに3段階くらいの計画を作成し、計画の遂行管理をすることが大切です。

担当者の全体計画は、計画の全体像を見渡すために必要であり、担当者の立場での全体計画として作成します。これをブレークダウンして日々の計画に落とし込むために、数ヶ月分の月間計画を10日単位くらいのスパンで作成します。そして、日々の計画は、直近1ヶ月分くらいの日々の予定を作ります。

担当者は、これを基に業務を遂行、管理することになります。実績を記録し、遂行にフィードバックするために可視化します。必ず記録を残すようにしてください。
当然、計画の変更があれば、上位の計画から逐次見直し更新してゆきます。

計画の管理は、予定と実績の把握です。計画において、予定は必ず記載されますが、実績も必ず書き込めるようにしておき、日々管理することが、重要です。

例えば、仕事のグループ内で週末に進捗の打合せを行ない、予定と実績を確認し、遅延している場合、その対策を立案し、翌週からそれに沿って業務をするといった方法もあります。
 
fig_strat_plan

fig_strat_each_plan

fig_strat_emp_plan

fig_strat_emp_plan2

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2008年9月20日 (土)

最後に経営戦術を

経営戦略として、「基本戦略」、「個別戦略」ができあがったら、それをベースに戦術をたてます。

戦略と戦術の違いは、先に述べたとおり、方向付けをする戦略と具体的な実務を示す戦術ですので、策定した戦略をもう一度見直してみてください。戦略が戦術になっていたりしませんか。

さて、戦略から戦術へ展開させるには、ツリーを使います。
戦略から、具体的な実現手段である戦術をどんどん作りだしましょう。まずは、思いつくままにリストアップします。

図の例は、ツリーのかたちを示しているだけです。戦術は、たくさんリストアップします。
fig_strat_tree_tec
そして、リストアップした戦術の有効性、着手しやすさ等を評価して、優先順位を決めます。

戦術は、何人かでブレーンストーミングを行ない、リストアップするのがよいと思います。自分が気づかなかった項目も挙がってきますし、他の社員を巻き込むことで社員のモチベーションを上げることにもなります。

このあたりから、個人での取り組みから組織での取り組みへと移してゆきます。計画実行は、一人では当然不可能であり、組織の仕事にほかなりません。

戦略と戦術が完成したら、もう鬼に金棒です。

あとは、迷わず、実現に向けて、突き進むのみ。しかし、実行するには、いろいろと障害がありますが、それらはひとつずつ克服してゆくしかありません

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2008年9月 6日 (土)

そして、経営戦略へ16 - 戦略の策定

基本戦略の策定
いくつかの戦略アイデアとその評価結果が、手元に揃いましたか。それらの戦略アイデアの中で、事業全体を包含した内容のものがあれば、それを「基本戦略」とします。もし、ないようであれば、戦略アイデアの数々を眺め、それらのアイデアを包含する内容として「基本戦略」を立案しましょう。

ここで注意しなければならない点があります。思い出してください。すでに説明したように、戦略は全体の方向性、進むべき方向を指し示す内容となっていなければなりません。細かい、具体的な内容ならば、戦術になってしまいます。

「基本戦略」は、戦略という大樹の根元の部分にあたりますので、きっちりと1枚のシートにまとめましょう。記載する項目は、「タイトル」、「背景」、「内容」の3項目プラス「キャッチフレーズ」です。

1 タイトル(基本戦略) 具体的な、わかりやすいことばで。
2 背景 戦略を実現することで克服できる課題を。
3 内容 タイトル、背景を含め、戦略の内容を詳しく説明します。
4 キャッチフレーズ 簡潔明瞭なひとことで戦略を言い表し
ましょう。戦略遂行のために、会社のみんなが覚えやすく、
使えるように! これは、重要です。

図の例を参考にして、戦略シートを作成しましょう。
 fig_strat_basic_senryaku

fig_strat_each_senryaku
個別戦略の策定
いままでリストアップした個々の戦略アイデアは、「個別戦略」となっています。これを「個別戦略」として、「基本戦略」と同等のシートに書き写します。

個別戦略は、その内容により、商品戦略、技術戦略、生産戦略、販売戦略といったタイトルをつけることができると思います。

さあ、ここまでのフレームワークで「基本戦略」、「商品戦略」、「生産戦略」、「販売戦略」等、さまざまな戦略シートが用意できたでしょう。

◆ 戦略策定上のポイント
最後にひとこと、戦略策定の際に注意してほしいポイントを2点挙げます。これだけは、外さないようにしてください。

このふたつのポイントに情熱をこめて、戦略は作ります。それが戦略に生命を吹き込むことになります。本書において、著者が読者の方に伝えたいメッセージでもあります。

夢を語れ!
ただし、現実離れしないようにホドホドに。
論理に一貫性をもて!
第三者を説得、第三者に納得してもらうためには、ロジカルに。

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2008年8月22日 (金)

そして、経営戦略へ15 - 戦略アイデアのビジュアル化

戦略アイデアの作成は、他の書物でも当然述べられていることですが、ここから先を説明している書物はほとんどありません。そのためにせっかくの理論を現実に応用しようとすると躓いてしまいます。

本サイトでは、前述した策定シートの評価結果を以下で説明するようにグラフでのビジュアル化を提案します。

自分が立案した戦略アイデアの仮説を信じ、情熱を持って、プレゼンテーションできるようにします。いくつかの評価結果をビジュアル化するには、レーダチャート(戦略バージョン)です。以下にサンプルを示します。
 fig_strat_rader 
通常レーダチャートが使われるのですが、管理人のお薦めは、折れ線グラフ(戦略バージョン)です(筆者が勝手に命名しました)。

fig_strat_oresen
これを使うと、各戦略アイデアの項目ごとにアイデアの良し悪し、総合評価結果として、グラフのとなりに各アイデアの内容を記載することができ、内容を第三者に伝えるのに効果的です。

図の例は、グラフのみですが、折れ線グラフであれば、グラフの左隣りに戦略案をコメントすることができます。

グラフ化することのポイントは、
簡便さ 簡単に作れ、変更もしやすいこと
シミュレーションしやすい 1の項目と重なりますが、
項目の評価を変更したとき、グラフにすぐ反映できること
既存のパソコンツールが使える Excel○Rの折れ線グラフ
と文字の入力のみ
第三者にとって見やすく理解しやすいこと

ということで戦略策定シートを作成した後、グラフ化して、第三者にプレゼンテーションできるように準備しましょう。

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2008年8月 9日 (土)

そして、経営戦略へ14

◆ 戦略アイデアの評価

最後にリストアップした戦略を視点ごとに評価して、戦略アイデアを完成させます。

手順として、定性的な評価、次に定量的な評価を行ないます。
これらの資料をもって、第三者を論理的に説得させなくてはならないので、
最終的には定量データにしておくことが重要です。

それでは、まず定性的な評価を行ないます。
図のシートに記載されている「視点」の各項目に重みをつけます。
どの項目に重みをおくか、どの項目に注力して戦略を進めるかを
4段階(◎、○、△、×)に分類します。
もっとも重みをおく項目に◎、あまり重みをおかない項目を×として、
その中間を○、△とします。シートの視点の「重み」の欄に記入します。

次にリストアップした戦略のアイデアの「評価」を同じように、
4段階(◎、○、△、×)で分類します。
アイデアとして有効性の高いものが◎、低いものが×となります。
「視点」の項目と同じように○、△も。
これもシートの各アイデアの「評価」の欄に記入します。

以上の定性的な評価を行なったら、これを定量データに置き換えます。

「視点」の項目の「重み」の4段階を点数化します。
25点きざみの重み点です。
◎:25点、○:20点、△:15点、X:10点とします。
たとえば、図の「市場」の項目の「重み」は、△ですので、
「重み点」は15点となります。
各「視点」の「重み」(◎、○、△、×)を点数化し、
シートの各欄に記入します。

アイデアの「評価」は、4段階で、◎:4点、○:3点、△:2点、×:1点とします。
たとえば、「案1」の「市場」の項目の「評価」は○ですので、
「評価点」は3点となります。
残りの「視点」の項目についても、「評価」に従い、「評価点」を記入します。

各アイデアの「評価」を「評価点」に置き換えたならば、
各アイデアの「視点」ごとの「評価点」を計算します。
図の例であれば、「案1」は「市場」の項目の「重み」△に対して、
「評価」○ですので、「重み点」15点×「評価点」3点=合計45点となります。

各アイデアの「視点」の項目ごとに「評価点」を計算したら、
これらを合計して各アイデアの「総合評価」とします。
これで各アイデアの「総合評価」が数値化できたはずです。
どの戦略アイデアが有効であるか、優先度を高くしたらよいか、
いろいろ見えてきませんか。
なお、これらの点数の妥当性については、
市場、会社等の状況によって異なると思いますので、適宜変更して、使ってください。

戦略理論や分析ツールで戦略策定を行なった後の評価結果を定量化するには、
いろいろな方法があると思います。
しかし、絶対的な数値にすることは難しいので、
相対的な数値にするしかありません。
自分でたてた仮説(戦略)を論理的に納得できるようなかたちで数値化しましょう。

ここは、読者の方自身の思い込みと思い入れを数値化してください。
信ずるものは救われる精神でゆくことです。

Fig_strat_sheet3

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2008年7月26日 (土)

そして、経営戦略へ13

◆ 戦略立案は思いつくままに

それでは、具体的に実際の手順で戦略を策定してみましょう。

いままで戦略理論を勉強してきましたし、分析ツールを活用して
きましたので、それらが頭の片隅に残っていると思います。

なんとなく戦略を書き出すことができるはずです。
細かいことにとらわれず、どんどん思いつくままにリストアップして
ゆきます。

書き出した戦略の妥当性は、別途評価します。
その戦略のアイデアを図のような戦略策定シートに書き出します。
先の戦略理論の個々の原則について、自社に適用した場合、
どのようになるか、といった視点でも網羅的に検討して立案して
みてください。

次のステップとして、戦略のアイデアに対して、いくつかの視点から、
内容を吟味し、整理します。

図の例でも、これらの項目ごとに分類しています。
ただし、これらの項目は、対象とする会社の業種等により、
若干変更する必要があるかもしれません。
自分の会社にあう視点で整理してください。

図の例では、未記入のシートと戦略アイデアを記入したシートを
掲載してあります。

 1 市場 ターゲットとする市場はどこか?
 2 商品 新商品、ラインアップをどのようにするのか?
 3 価格 どのような価格付けとするのか?
 4 販売 販売のしかたはどうするのか?
 5 生産 生産の方法、生産の拠点はどうするのか?

Fig_strat_sheet1 Fig_strat_sheet2

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2008年7月13日 (日)

そして、経営戦略へ12

◆ さあ、経営戦略の策定にとりかかりましょう

これまでに戦略理論、分析ツールとひととおり勉強し、
フレームワークに従って市場等の環境分析の資料と自社の内部分析の資料が
すでに揃ったはずです。

これから、これらの資料をもとに、どこをどのように狙うか戦略を策定します。
新しく会社を起こす場合、またはあなたが現在企業に勤務されている場合等、
個々の読者の方により環境や条件は異なりますが、先の戦略理論を思い出しながら、
経営戦略を策定してみましょう。

戦略策定のプロセスの第1段階は、あなたなりに考えた、
こんな戦略でいきたいという仮説をたてることです。

思いつくだけ、いくつでも挙げてください。
そして、それらの仮説を戦略理論、環境分析結果等と照らし合わせながら、
評価してゆきます。その評価のプロセスの中で、基本戦略を絞り込みます。

実際に次のステップで戦略を策定してゆきましょう。
 
 1 
戦略案の立案
  思いつくままに戦略のアイデアをリストアップしてください。
  次に戦略理論をひとつずつ思い起こし、
  利用できる原則をもとにアイデアを練りあげます。

 2 
戦略案の評価
  リストアップしたアイデアの評価は、
  戦略理論と分析ツールを使って分析した結果の資料をもとに
  評価してゆきます。
  さらに評価した結果は、客観性、説得性をもたせるために定量化します。

 3 
基本戦略の策定
  次は、基本戦略を策定します。
  リストアップした戦略の中に全体的な戦略を語っているものがあれば、
  それが基本戦略になります。
  もし、ないのであれば、個々のアイデアの戦略を包含する基本戦略を
  新たに考え出します。

 4 
個別戦略の策定
  個別戦略は、リストアップした個々のアイデアそのままとなります。

 5 
戦略全体の評価
  最後に戦略全体をみて、評価します。
  基本戦略と個別戦略が論理的なくいちがいがないか、評価します。
  論理に一貫性がなくてはなりません。

Fig_strat_process

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2008年6月28日 (土)

そして、経営戦略へ 11

◆ 本命の戦略策定ツール

戦略策定ツールもいろいろあります。
その目的が事実や課題を客観視できるようにいろいろな工夫を
凝らしている点が理解できれば、これらのツールも自由自在に
操れます。

また戦略策定ツールには、大きく分けると、ツリーマトリックス
2種類があります。ツリーで課題の構造を明らかにし、
マトリックスで相関的な自社のポジションを明らかにします。

ツリーは、たとえば自社の抱えている問題、課題をリストアップして
ゆきます。それだけでは、雑然として混乱するだけですが、
リストアップした後、課題の大きさ、重要性等の基準で構造化する
ようにします。その際、重要な点は、大きな課題から個別の
小さな課題へとブレークダウンするツリーとします。

思考法に、演繹と帰納といった2種類の方法がありますが、
前者の演繹法を活用したブレークダウン型ツリーを作成します。
Fig_strat_tree

図の例では、まず最重要課題として、
売り上げアップが挙げられています。
次に、この最重要課題を実現するための課題に
置き換え、リストアップします。
たとえば、市場拡大を図ること、粗利アップを
図ること等々。
さらに、そのためには具体的に何を
すればよいのか・・・、
といった具合にブレークダウンして、課題、解決策を
構造化してゆきます。

一方、マトリックスは、課題の各要素のつながりや他社との関係を
2次元で図示します。そうすることにより、課題や自社の位置付けを
行い、自社のポジションを明確化することで、次の戦略を策定する
ことができます。

この典型的なマトリックスを使ったツールとして、1960年代に
ボストン・コンサルティング・グループが開発したPPM
(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)があります。
市場成長率と相対シェアを軸として、2次元のマトリックスで自社の
ポジションを、また円の大きさで売上高を示すものです。
Fig_strat_ppm

PPMでは、商品を4つに区分します。
「花形商品」、「金のなる木」、「問題児」、
「負け犬」の4種類です。

市場成長率が高く、シェアも高い商品は、
「花形商品」であり、この場合は、現在のポジションを
継続する戦略が必要となります。
また、逆に市場成長率が小さく、シェアも低い商品は、
「負け犬」であり、この場合は、現在のポジションから
早く脱却する戦略をとることになります。

図の例では、この会社は、製品A、製品B、製品Cの3つの商品が
「花形商品」、「金のなる木」、「問題児」のポジションに存在しており、
この図から全体戦略と個々の製品の戦略を策定することができます。

PPMでは、製品の市場でのポジションを明確化しますが、
その会社の市場でのポジションを示すためには、SWOTを使います。
Fig_strat_swot

SWOTは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、
Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字をとった
ものであり、自社の「強み」と「弱み」、また「機会」と
「脅威」の視点から整理します。自社が市場や環境、
他社と比較して、何が強く、何が弱いか、
またどのようなチャンスを持っているか、
外敵は何か、といった項目を明確にします。

次は、ベンチマーキングです。
自社と他社とを相対比較をする点において、
PPMと似ていますが、PPMは、おもに製品のポジションを示し、
ベンチマーキングは会社のポジションを相対化して示します。
Fig_strat_bench

他社との会社間の比較、自社内の部門間の比較を
行ない、弱い部分を発見し、それをどのように
補完するかを考えます。
その際、評価の基準とするのが、他社の
ベストプラクティスです。
ベストプラクティスとは、もっとも優れた経営、
実務等のことであり、それを実現するための策を
考えることになります。
また、逆の作用効果として自社の強みも見えてきます。

ハメルとプラハードのふたりによって、「コアコンピタンス」という
概念が発案され、現在のビジネスでもよく使われています。
コアコンピタンスは、他社が持っていない独自性、優位性を
意味します。

言い換えるとベンチマーキングは、コアコンピタンスを明確化する
分析ツールでもあります。何が、自社のコアコンピタンスなのか、
また何が、将来にわたりコアコンピタンスであり続けられるか。

ベンチマーキングでは、第三者にもわかりやすい図となるので、
レーダチャートがよく使われます。
図の例では、評価項目として、研究開発、ブランド力、営業力、
生産能力、品質について、自社と他社を評価し、
定量化したデータで示しています。どこが強いか、どこが弱いか、
一目瞭然です。
コアコンピタンスを活かした戦略、コアコンピタンスを強化する戦略。
これが戦略策定の基本です。


以上、代表的な戦略策定ツールを紹介しましたが、
ほかにもたくさんのツールがあります。

実際は、ケースバイケースで使い分けるのですが、
本ブログで紹介したツールを、まず使いこなすことが大事です。
あなたの会社の実状に会わない場合は、自分で工夫して、
これらのツールの表現方法、図示方法を変えてしまえばよいのです。

では、これらの分析ツールを使って、
実際に自分の会社が対象とする市場環境、自分の会社の市場での
ポジションの分析を行なってみましょう。

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2008年6月14日 (土)

そして、経営戦略へ 10

◆ 分析ツールを手中に収めよう
 戦略理論もひととおり勉強したので、さて次は戦略立案といきたいのですが、
ちょっと待ってください。前述しました「経営戦略のフレームワークの3C」を
思い出しましょう。孫子のいうように、まず己を知り、敵を知ることが重要です。
そこから、戦略を考えなくてはなりません。

 この「経営戦略のフレームワークの3C」の3つの視点から、戦略を策定します。
 過去に経営戦略がいろいろと提唱されてきたように、己、そして敵を知るための
分析する道具もいろいろと考案されてきました。これらは目的、用途によって
使い分けてこそ効果があります。ここでは、分析のツールのいくつかを紹介します。

 分析ツールには、
環境分析ツール戦略策定ツールがあります。
前者の環境分析ツールは、事実を第三者に視覚的にわかりやすく説明することが
目的です。後者の戦略策定ツールは、市場での自社のポジションや今後の
進むべき方向を可視化することが目的です。

◆ まず環境分析ツール
 環境分析は、マクロ環境、市場環境、社内環境の3つの視点による分析を行ない、
可能な限り定量化されたデータで示します。
 1 マクロ環境 社会、経済、環境、ライフスタイル等。
 2 市場環境 市場規模、シェア、価格等。
 3 社内環境 自社のポジション・売上げ・課題、経営資源等。

 これらのすべてのデータを経営戦略で使用するかどうかは、この時点では
わかりませんが、ひととおり、まとめてみてください。作成するツールとしては、
ExcelやPowerPointといったパソコンのソフトウェア、アウトプットは、それを
利用したグラフとなります。
 各会社の事業内容や市場等によって、若干異なるグラフの形になるかも
しれませんが、おおまかにはこのようなグラフで表せるはずです。

 そして、大事なことは、データを示すグラフ等には、必ず作成者の考察を
付与することです。

 図の例では、環境分析として、市場の規模の年別の推移を棒グラフで表し、
コメントとして市場の状況と自社の状況を記載しています。また市場での
自社のシェアを円グラフで表し、コメントを付与しています。最後に自社の状況を
販売数量、販売状況、課題といった観点で分析しています。
 対象とする市場、各社の状況に応じて、いろいろ作ってみてください。あくまで、
ここでは事実を客観的に見られるようにすることが目的です。事実を正しく表現します。


Fig_strat_anlyz_shere

Fig_strat_anlyz_soph

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