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2008年5月12日 (月)

やくざ映画の歴史

プランドゥ・アシストで創刊した
メルマガ「やくざ映画に学べ!ビジネス、人生」の
第1号「やくざ映画の歴史」が発行されました。

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◆やくざ映画の歴史

 まず、東映という映画会社において、やくざ映画が作られ始めた
経緯と、そのやくざ映画の歴史を概観します。

 日本の映画界、とりわけ邦画は、1950年代に黄金期を迎えました。
映画館の数、観客動員数、すべてにおいて、史上空前の活気を
呈していました。そして、そこで作られ続けたのは、映画会社の
東映であれば時代劇、日活であればアクション映画、といった特定の
分野の映画、すなわち特定の路線上で同じようなカテゴリーに
分類される映画が続々と作られました。時代劇路線、やくざ映画路線、
ニューアクション路線等々。

 しかし、1970年代に入り、映画界が斜陽となってきました。
 そんな世の中の情勢の中で、最後の路線として、東映の
やくざ映画路線が存在しました。他の映画会社が四苦八苦している
中で東映だけが、やくざ映画で気を吐いていたのです。

 それは十年以上続いたのですが、やくざ映画といっても、
大きくは、ふたつの種類に分かれます。
 1960年後半から1970年初めにかけての任侠映画が前半部分、
1970年初めから後半にかけての実録路線が後半部分です。

 東映では、映画の黄金時代を築いた路線が時代劇でした。
そこから仁侠へと移ってゆくのですが、その契機となった映画は、
「人生劇場 飛車角」(1963年。監督:沢島忠 出演:鶴田浩二、
高倉健)です。続編も作られ、任侠路線への水先案内人としての
役割を果たしました。この映画に出演した鶴田浩二、高倉健が
任侠スターとなり、その後さまざまなシリーズの主演者となり、
任侠映画路線を牽引してゆきます。

 従来の時代劇は、江戸時代もしくは以前が舞台です。やくざ映画、
とくに任侠映画は、時代的にも連続する明治、大正、昭和初期の
時代が多く描かれています。単に時代が流れており、映画もそれに
つれて、ということもあるかもしれませんが、ほかにも理由は
あったはずです。

 しかし、1970年代に入り、やくざ映画のマンネリ化とともに
任侠映画の花でもあった藤純子の引退とともに仁侠映画にも
翳りが見えてきました。

 そのような中で、実録路線として登場したのが、
「仁義なき戦い」(1973年。監督:深作欣二。出演:菅原文太)でした。
 従来の任侠映画が義理と人情をテーマに扱っていたのに対し、
映画のタイトルが表しているように「仁義」がなくなってしまうのです。
この映画がヒットし、東映は、それまで模索していた路線を
実録路線へと移行し、数々の傑作を生み出してゆきます。

 ところが、実録路線は、それも恒常的な路線となることができず、
1970年末には終焉を迎えます。これで東映のみでなく、
邦画の路線の時代は終わります。

 以上、東映やくざ映画を概観してみました。この流れを知った上で、
いかにビジネスに応用できるか、人生に役立つかを考えてみます。

 時代劇は、「勧善懲悪」がテーマです。
 太平洋戦争が終わり、平和な世の中が訪れ、人々は落ち着きを
取り戻してきました。そのような時代には、緩やかに話が進行し、
のんびり楽しく観ることができる、勧善懲悪の時代劇がピッタリでした。

 その後、高度経済成長の時代となり、なんとなく世の中も変わって
ゆく中で人と人との繋がりを強調する「仁義」、「義理」や「人情」を
テーマにした任侠映画が世の中に受け入れられ、市民権を得ます。

 すべからく、路線やシリーズ物は、マンネリ化から逃れられず、
また映画斜陽の時代とあいまって、世知辛くなってきたときに
「仁義」もクソもない、殺るか殺らるかの「仁義なき戦い」を代表する
実録路線が生まれます。

 その後、世の中は「ゆとり」の時代とか云われてきましたが、
ビジネス上は、この「仁義なき戦い」の時代をひきずり、いや、
それ以上に人と人との関係、人と会社との関係が希薄、
かつ殺伐とした利害関係でものごとをみる時代になっているように
思えます。という理由で、「仁義なき戦い」が製作された頃、
産まれた人たちも、いまや成人となり、ビジネス戦線に加わった
時期であり、もう一度、やくざ映画の流れを踏まえて、
そこから得られる教訓を再認識し、今後のビジネスへ活かして
ゆくことに意義が見出せるのではないでしょうか。

 本メルマガでは、1960年代から1970年代の十数年間に
作られたやくざ映画を素材として、ビジネスにおける個人対個人の
戦い方、個人対集団の戦い方を現代に活用すべく検証し、
また人生の処し方についても触れてゆきます。どこまで本質に
迫れるかわかりませんが、おつき合いください。

 まず東映やくざ映画の作品の歴史を概観できるよう、
主な作品を年度別に挙げてみます。
 任侠の時代から実録の時代までをとりあげます。
 以降は、大作主義とか、ネオチンピラとか、東映も路線を
模索し続けることになるのですが、特定の路線というものは、
生まれてはきませんでした。

1963-72 任侠の時代
1963 人生劇場 飛車角(監督:沢島忠 主演:鶴田浩二、高倉健)
1964 日本侠客伝(監督:マキノ雅弘 主演:高倉健)
1965 網走番外地(監督:石井輝男 主演:高倉健)
    昭和残侠伝(監督:佐伯清 主演:高倉健)
1968 緋牡丹博徒(監督:山下耕作 主演:藤純子)
1972 関東緋桜一家(監督:マキノ雅弘 主演:藤純子)

1973-77 実録の時代
1973 仁義なき戦い(監督:深作欣二 主演:菅原文太)
     山口組三代目(監督:山下耕作 主演:高倉健)
1975 仁義の墓場(監督:深作欣二 主演:渡哲也)
1977 北陸代理戦争(監督:深作欣二 主演:松方弘樹)

1977-86 模索の時代
1977 やくざ戦争 日本の首領(監督:中島貞夫 主演:佐分利信)
1978 冬の華(監督:降旗康男 主演:高倉健)
1979 その後の仁義なき戦い(監督:工藤栄一 主演:根津甚八)
1982 制覇(監督:中島貞夫 主演:三船敏郎)
1984 修羅の群れ(監督:山下耕作 主演:松方弘樹)
1986 極道の妻たち(監督:五社英雄 主演:岩下志麻)

1987-1992 ネオチンピラの時代
1987 ちょうちん(監督:梶間俊一 主演:陣内孝則)
1990 さらば愛しのやくざ(監督:和泉聖冶 主演:柳葉敏郎)

 作品に出演している俳優の名前で傾向がみられるでしょう。

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